インフルエンザの薬について
いや~、本当に今シーズンはインフルエンザが流行していますね。
ということで、今回はインフルエンザの薬について書きたいと思います。
薬の話の前に、インフルエンザの症状や診断について簡単に説明したいと思います。症状は個人差がありますが、高熱、咳や鼻水・のどの痛みなどの上気道症状、関節痛や倦怠感などがあります。吐き気や下痢などの消化器症状がでることもあります。診断に関しては流行状況や接触歴をふまえて症状から判断することも可能ですが、昨今では迅速抗原検査で診断がつくことも多いかと思います。ただし、抗原検査は症状がでて早期(24時間未満)には偽陰性(本当はインフルエンザにかかっているのに検査は陰性となる)となることも多いですし、100%の検査ではないことに注意が必要です。インフルエンザにかかった方と接触歴があって症状がインフルエンザ様であれば、検査の有無に関わらずにインフルエンザと診断することもあります。
さて、今回の主題である薬の話をしていきたいと思います。そもそもインフルエンザの薬の効果はどのようなものでしょうか。
もっとも歴史のあるインフルエンザの薬であるタミフルの効果を検証した研究報告では、タミフルをのむことによりすべての症状が緩和されるまでの期間が1日短縮されること、入院を減少させることが示されています。(Lancetという医学雑誌に2015年に掲載)
インフルエンザの薬は下記の表のようにいろいろな種類があり、それぞれに特徴があります。医師とよく相談して決めるのがよいでしょう。(薬局に在庫がない薬もあるでしょう) どの薬剤も症状が出てから48時間以内に使用するのが原則となっています。(48時間以内だと効果が高いため保険の適応は48時間以内となっている)
商品名 | タミフル | リレンザ | イナビル | ラピアクタ | ゾフルーザ |
投与方法 | 内服 | 吸入 | 吸入 | 点滴 | 内服 |
投与回数 | 1日2回5日間 | 1日2回5日間 | 1回のみ | 1回のみ | 1回のみ |
特徴 | 一番実績のある薬。小児の精神症状に注意。 | 吸入がうまくできない人には使いづらい。 | 吸入がうまくできない人には使いづらい。 | 内服や吸入ができない入院の人に使うことが多い。 | 耐性ウイルス(薬が効かないウイルス)が出やすい。 |
文責:今永光彦