インフルエンザの薬はあまり効かない?
インフルエンザの薬について先月のブログで「タミフルをのむことによりすべての症状が緩和されるまでの期間が1日短縮されること、入院を減少させることが示されています」と記載しました。
その後、最新の研究報告が発表されて、前回記載した内容と違う点が明らかになったので今回のブログで詳しく述べたいと思います。
今回発表された研究報告は、今まで蓄積された臨床試験(薬がどれくらい効果あるか検証した試験)73件の結果をまとめて検証したものです。(JAMA Internal Medicineという医学雑誌に1月に掲載)
その結果では、(入院が必要ない)重症でない患者さんにはインフルエンザ薬のほとんどは効果が乏しいという衝撃的な結果ではありました。
詳しくみてみると・・
死亡率:どの薬剤も死亡率を下げない。
入院率:リスクが低い患者さんにはどの薬剤も効果なし。(高齢、元々重い病気があるなど)リスクが高い患者さんの入院率をゾフルーザという薬はごくわずか下げる(それ以外の薬剤は効果なし)。
症状緩和までの期間:ゾフルーザが約1日短縮する。タミフルの効果はそれより少ない(約18時間短縮)。
副作用など:タミフルは吐き気などが出やすい。ゾフルーザは耐性(薬が効かない)ウイルスが出やすい。
インフルエンザの薬が思ったよりも効果が乏しいことがわかりました。ゾフルーザが多少効果がありそうですが、ウイルスが効きづらいウイルスが増えるのも怖いですよね。値段も高いですし。
もともと自然によくなる病気ですので、リスクが少ないもともと健康な方は薬を飲まないというのでも良いかなと思います。この年末年始のように病院で何時間も待ち、薬がある薬局を探すのも一苦労という状況では、家でゆっくり休養した方がいいかもしれませんね!
文責:今永光彦