【MCS(メディカルケアステーション)に関する研修会】の報告
今回は相談員が担当させていただきます!
先日、当院医師の今永が南埼玉郡市医師会主催の【MCS(メディカルケアステーション)に関する研修会】にて、「MCSの具体的活用事例と今後の課題」について講演をしました。 今回はその報告をしたいと思います。
まず、MCS(メディカルケアステーション)についての説明です。
MCSとは、セキュリティの高い非公開型の医療介護専用のSNSツールです。在宅療養をされている方には、訪問診療医、歯科医、訪問看護師、訪問リハビリ、薬剤師、ケアマネジャー(介護支援専門員)、ホームヘルパーなど、さまざまな専門職がかかわり、患者様の生活をサポートしています。 患者様に、より安心して家で生活を送っていただくためには、関わる多職種がしっかりと連携をとりながらサポートをしていくことが非常に大切であり、以前からICT利用が推進されてきました。今年6月からの診療報酬改定にて「在宅医療情報連携加算」が新設され、国としても在宅医療におけるICT利用を推進しているのだなと感じます。
今回の講演会は、蓮田市・白岡市・宮代町・久喜市の在宅医療・介護関係者を対象に行われました。MCSの活用をどのようにしていったら良いか具体的な事例をもとに専門職が考えるきっかけとなるような内容でした。当地域のMCS導入時期から当院の今永が関わっていたため、今回講師として呼ばれました。
講演を聴いて私が考えたことを書いてみたいと思います。
現在、当院では30人前後の患者様にMCSを運用しております。安定している方には、月2回の訪問診療が基本となっておりますが、ケアマネジャーさんや訪問看護さんなどから報告をいただくことで、体調や生活環境の変化がすぐに共有できるようになりました。多職種間での相談や対応がよりスムーズにいくようになったと思います。(写真も共有できるので、皮膚トラブルは電話での報告よりもより分かりやすくなりました) 講演を聴いてそれらをあらためて感じました。また、緊急度により、MCSでの報告ではなく、電話で報告や相談をした方が良いこともあることから、その時の状況に応じて、的確にツールを利用していくことが大切であると思いました。そして、電話の場合もMCSの場合も前提としてあるのは、お互いの『顔の見える関係』が構築されていること、または、構築していくことが重要であるということを学びました。 なかなか、顔を合わせる機会が少なく、どのように多職種の方々と『顔の見える関係』を築いていけば良いか悩むところもありますが、今回の研修のような機会を大切にしつつ、患者さん宅でお会いした時には情報交換をしながら多職種の皆さまとも信頼関係を築き、一緒に患者様の在宅生活のサポートをしていきたいと思います。