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帯状疱疹ワクチンについて

[2024.03.08]

最近、患者さんから帯状疱疹ワクチンについて質問されることが増えています。CMの影響などもあるのですかね。

ということで、今回は帯状疱疹ワクチンについて書いていきたいと思います。

Q1:帯状疱疹はどんな病気?

水痘帯状疱疹ウイルスにより起こる病気です。このウイルスは水ぼうそうのウイルスなのですが、水ぼうそうになった後に体内の神経節というところに潜んでいて、加齢や免疫力低下により体の免疫が落ちた時に再び活性化して悪さをするのです。発症するとチクチクとした痛みに続いて水疱を伴う皮疹が出てきます。問題はそのあとに、後遺症として神経痛が残ることがあり、生活に支障が出たりする点です。発症したら早めに抗ウイルス薬を飲むことで悪化や神経痛が残ることを減らすことができます。しかし、そもそも病気にならないのが一番ですよね。そこで予防するためのワクチンが話題に上がるわけです。

Q2:帯状疱疹ワクチンは50歳以上からと聞いたけどなぜ?

下の図は宮崎スタディという研究の結果です。どの年代で発症が多いのかと示しています。このグラフをみると明らかに50歳台から増えており、ピークは70歳台となっています。

このような結果から「50歳を過ぎたら」と言われているわけですね。しかし、50歳未満の方でも既往症や持病により「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方」にも、2023年6月よりワクチンの適応が拡大されました。つまり年齢だけではなく免疫が落ちるような病気があれば50歳未満でもワクチン投与を考えてもよいということですね。

Q3:ワクチンは2つあると聞いたけど、どっちを打てばいい?

下記の表にそれぞれのワクチンの違いをまとめてみました。効果は「シングリックス」の方が高いですが、価格も高いですね。価格の面はありますが、効果を考えると個人的にはシングリックスがよいかと思います。

  乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」

不活化ワクチン「シングリックス」

帯状疱疹発症(接種後3-7年)

40-51%減少 84-97%減少
効果ある期間 5-8年 少なくても7年
(研究がまだ進行中。10年は効果持続と言われている)
用法用量 0.5mlを1回 皮下注射

0.5mlを2か月以上あけて2回筋肉注射

価格 1回4000-6000円 1回18000-25000円

 

今回は帯状疱疹ワクチンについて書きました。私もあと1年ちょっとで50歳になります。50歳になってすぐ打つかはわかりませんが、いずれ打とうかなと思っています。

                           文責:今永 

                           

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